自分が作ったデザインを他の人にレビューしてもらう工程は、デザインの質を上げる為にとても重要な工程です。
どんなに優れたデザイナーでも、1人で作れるモノには限界があるからです。
必要なのは分かるけど、みんなに批判されるのが怖い…
面倒な修正や作り直しが来たら嫌だ…
先輩や上司の納得できない意見で、デザインを変更したくない…
そう思ってしまう人も少なくないと思います。
しかし、今回紹介する「デザインレビューとフィードバックのやり方」では、指摘された内容を全て反映させる必要はありません。
自分が修正したと思った所だけを修正します。
「そうした方が良くなりそう!」と自分で納得できた意見だけ反映させましょう。
レビューの目的
レビューの目的は、「効率よくデザインのクオリティーを上げる」「参加デザイナー全員のスキルアップ」の2つです。
自分1人では気づけないことや、気づくまでに時間が掛かる事を、客観的に見てもらい効率よくデザインに反映させていきます。
レビュー前のデザインより、レビューを挟んで修正したデザインの方がいい結果になった!
人のレビューを見て、こういうケースもあるのか!自分ならこうする!と自分のナレッジにすることができた!
となるのがベストです。
具体的なやり方
デザイナー、非デザイナー関係なく複数人のグループで行うのがベストです。
私はデザイナーやディレクターなど、10人程のチャットグループで行っています。
見る側の負担を減らすために毎回全員が意見するのではなく、その時見る時間がある人が反応する感じです。
見せる側の例
- ○○を目的としているのですが、AとBどっちのUIが適切だと思いますか?
- HPのトンマナに合わせてバナーを作ったのですが、もっと違う印象で目立つデザインの方がいいと思いますか?
- TOPのデザインを作ったのですが、率直なご意見頂きたいです!
見る側の例
- ○○を伝えたいなら、こういうレイアウトにした方がいいかも!
- 目立たせたい所が目立ってないから、色を変更した方がいいと思う!
- メインの写真をもっと楽しい雰囲気に変更した方が、サイトの目的にあってる!
といったやり取りの中から「確かにそうした方が良くなりそう!」と思えた内容をデザインに反映させていきます。
レビューとフィードバックの心得
先輩や上司にやってもらうデザインチェックとは意味合いが違い、見る側と見られる側に上下関係はありません。
「そのデザインをより良くするための意見」を皆んなで出し合います。
両者にとって意味のある、居心地の良い場を目指します。
見せる側は不安な気持ちになっているかもしれませんし、見る側は貴重な時間を使ってフィードバックをくれています。
お互いがお互いを尊重し、思いやりと敬意を持って議論しましょう。
その為には両者がそのマインドを理解しておく必要があります。
ルール
見せる側
- 目的や条件を分かりやすくまとめて伝える
└目的、課題、ターゲット、コンセプト、納期や制約、完成ステータス(○○%)など、見る側が知りたい情報(要件定義)をテキストでまとめて伝える - なぜこのデザイン・UIにしたか、説明できる答えを持っておく
- 批判的な意見が来てもイラッとしない
- 100%FBが正しいと思い込まない
- 議論が大事なので納得しない場合は、意見を伝える
- もらったフィードバックを理解する姿勢を持つ
見る側
- 製作者が萎縮しないように、いい所も伝える
- 好き嫌いや好みで意見をしない
- 強要するような強い意見を言わない(最終判断は製作者)
└理解してもらいたい場合は、論理的に説明する - 制作者によって態度を変えない
デザインへの反映
もらったフィードバックを自分で整理し、「修正することで今よりデザインが良くなる」と思った内容を実際にデザインに反映させていきます。
課題を解決できているか不安な時は、「〇〇を変更してみたのですが、以前より良くなっていると思いますか?」など再度レビューをしてもらいましょう。
もらったフィードバックで、デザインが良くなりクライアントに喜んでもらえた時は、フィードバックをくれた方々に感謝の気持ちを伝えましょう。
書籍の紹介
ここで書籍を一つご紹介します!
私のデザインレビューのバイブル本です。かなりオススメです!
現在増刷していないので単行本の価格が高騰していますが、中古やkindleだと安く買えるので、興味がある方は読んでみて下さい。
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「好き嫌い、センス、上司が言ったからという理由でデザインを通すのはそろそろ止めにしたい。
目的に沿ってデザインを話し合いたい方にとって有益なヒントが詰まっています。」
amazon引用
まとめ
今回は私が実際にやっている、デザインレビューの方法を紹介させて頂きました。
見てもらうデザイナーはスキルアップに繋がり、組織としてもデザイナー全員の底上げに繋がります。
自分がやっていない案件でも、フィードバックをするだけで自分のナレッジにする事ができます。
参加者全員にメリットがあると思うので、是非参考にして頂けたらと思います。
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